800km歩いたら許してくれますか?

2016年、21歳の女子大生がカミーノデサンティアゴフランス人の道を踏破したお話です。

14日目、恐怖の8キロメートル

 

どうもこんばんは!

現在スペインは夜8時をまわったところです。

 

今日はロベなんちゃら(名前が長くて覚えられへん)という小さい村から、カストロヘリスまで、30キロの長距離でした。

昨日さぼったから、その分歩いたんや〜。

 

 

それにしても…

今日は巡礼始まって以来もっとも恐ろしい朝であったと思います…

 

 

朝7時、宿を出ました。

ロベなんちゃらかんちゃらの村には人影なし、街灯なし。スペインの夜明けはとても遅いのでほんとに真っ暗。まだ大量の星がキラキラしてます。

少々マヌケですが、頭にヘッドライトを装着して出発です。

 

ヘッドライトの光だけを頼りに、村から500メートルほど歩いた頃、

 

 

ガサガサガサ…WAOooN!!!

茂みからついに出ました、野犬!!!!!!

しかもシェパード!!!!!

こないだのチワワみたいなやつじゃなくてガチのやつ!!!!!

暗闇で一対一!!!!

めっちゃこっち見てる!!!

 

 

あかんこれは死ぬ!!!!!

と本能が叫びました〜。

 

ドーベルマンとも戦えるわ〜

とか言うてたけど、

いや全然ムリ!!!!!野犬なめてた!!!!めっちゃ怖いやん!!!

 

て感じです。半泣きです。

 

でも走って逃げたりしたら追いかけられるのは目に見えてます。そして確実に走り負けます。噛まれるというか、噛み殺されそうです。

ということで、背を向けないようにしながら、そろ〜りそろりと後退。

100メートルほど離れたところで、小走りで村まで引き返しました…

 

 

 

さて、ここからが問題なわけです。

村に戻ったって人影はありません。相変わらず真っ暗です。

こんな異国のどこぞの村で、暗闇の中一人ぼっち…そんなことある??

 

 

どうする?進もうか?

次の町まで8キロもあるのに1人で?

 

じゃあ誰か来るのを待つ?

いつ来るかもわからない他の巡礼者を?

 

 

 

 

よし…(トレッキングポールを右手に装備。)

 

ここでオタオタしててもしょうがないので、勇気を振り絞って進むことにしました。

いやこれ、まじで想像してるより怖いから。暗闇と野犬のコラボレーションやから。

 

 

"もし私を襲ったら、これでお前をぶっ刺すからな!!!"

という念を込め、ポールを構えて先ほどのシェパードを睨みつけながら静かに静かに、彼の2メートル横ぐらいを通過します。

 

 

よくみたら首輪ついてました。

 

…いや放し飼いにすんなよ!!!!激怒

 

 

さらになんとか逃げ切ったと思ったら、また前方の茂みがガサガサ!!!

この暗闇の中、茂みのガサガサの恐怖はすごいです。ほんとに怖い。しかも1人。

 

 

そしてまた新しい大型野犬(?)が登場。

 

 

しかもこっちに向かって走ってくる!!!!

 

あ〜ムリ襲われる!!!!

でも巡礼者が野犬に襲われて死んだなんてニュースは聞かへんから、もう噛まれるぐらい我慢しよう…

 

という覚悟で棒立ちしてたら(完全に戦意喪失)、私の横を通り過ぎてシェパードの方へ…

 

あぁ…私目当てじゃなかったのね…

 

 

 

 

というわけで何とか2匹の野犬をかわし、先に進みます。

しかし依然として行く道は真っ暗闇。

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これ、今日の朝7時の巡礼路の写真です。バグじゃないよ。

 

 

茂みがガサガサ言うたびにポールを手に臨戦態勢。緊張状態。 

満点の星空なんですが、そんなん見てる余裕は全くありません。ええからはよ太陽出てくれ。

 

さらに完全に恐怖のスイッチが入ってしまって、どんどん恐ろしい想像ばかりが膨らみます。

 

な…なんか出たらどうしよう…(人じゃないやつ)

 

これはもう考え始めると終わりですね。

負の連鎖です。

 

闇に浮かび上がる木の影が人(生きてないやつ)に見えたりしだします。

 

う…後ろに誰か(生きてないやつ)おったらどうしよう…

 

とか考えると、立ち止まって靴紐を結び直すこともできません。

だって怖いねんほんまに!!!!

 

世界最長のお化け屋敷としてギネスブックに乗ったこともある、"戦慄迷宮"が900メートルです。

 

いや8キロて!!!!!?

 

 

 

怖さを紛らわすために、大きな声で会話しよう!!!!

1人やけど!!!

 

私「朝ごはん、何食べる?」

私「次の町においしいクロワッサンあるといいな〜食べたいわ〜」

誰か「ワタシモ…タベタイ…」

 

ぎゃあああああああああ

 

とか考えて1人でパニックです。

もう何してもあかん…

 

 

いや!!この暗闇を、しかも野犬の出る山道を1人で歩ける勇気のあるやつなんか滅多におらん!!!すごいで自分!!!すごい勇敢やでいま!!!
と必死に自分を励ましながら進みます。

寒いし怖いしお腹減ったし、まさに地獄です。

 

 

…ということで10キロのリュックを背負ってるにもかかわらず、次の町までの8キロメートルの山道を1時間ちょいで歩ききりました。

歩いたというかほぼ小走りでした。

 

 

私はもともとビビリな方なんですが、今日ほどビビリまくった日はそうそうないです。

 

巡礼ってやっぱり大変やな…。

 

そんなことを思った1日となりました。

あ…あしたもがんばろう…