14日目、恐怖の8キロメートル
どうもこんばんは!
現在スペインは夜8時をまわったところです。
今日はロベなんちゃら(名前が長くて覚えられへん)という小さい村から、カストロヘリスまで、30キロの長距離でした。
昨日さぼったから、その分歩いたんや〜。
それにしても…
今日は巡礼始まって以来もっとも恐ろしい朝であったと思います…
朝7時、宿を出ました。
ロベなんちゃらかんちゃらの村には人影なし、街灯なし。スペインの夜明けはとても遅いのでほんとに真っ暗。まだ大量の星がキラキラしてます。
少々マヌケですが、頭にヘッドライトを装着して出発です。
ヘッドライトの光だけを頼りに、村から500メートルほど歩いた頃、
ガサガサガサ…WAOooN!!!
茂みからついに出ました、野犬!!!!!!
しかもシェパード!!!!!
こないだのチワワみたいなやつじゃなくてガチのやつ!!!!!
暗闇で一対一!!!!
めっちゃこっち見てる!!!
あかんこれは死ぬ!!!!!
と本能が叫びました〜。
ドーベルマンとも戦えるわ〜
とか言うてたけど、
いや全然ムリ!!!!!野犬なめてた!!!!めっちゃ怖いやん!!!
て感じです。半泣きです。
でも走って逃げたりしたら追いかけられるのは目に見えてます。そして確実に走り負けます。噛まれるというか、噛み殺されそうです。
ということで、背を向けないようにしながら、そろ〜りそろりと後退。
100メートルほど離れたところで、小走りで村まで引き返しました…
さて、ここからが問題なわけです。
村に戻ったって人影はありません。相変わらず真っ暗です。
こんな異国のどこぞの村で、暗闇の中一人ぼっち…そんなことある??
どうする?進もうか?
次の町まで8キロもあるのに1人で?
じゃあ誰か来るのを待つ?
いつ来るかもわからない他の巡礼者を?
…
よし…(トレッキングポールを右手に装備。)
ここでオタオタしててもしょうがないので、勇気を振り絞って進むことにしました。
いやこれ、まじで想像してるより怖いから。暗闇と野犬のコラボレーションやから。
"もし私を襲ったら、これでお前をぶっ刺すからな!!!"
という念を込め、ポールを構えて先ほどのシェパードを睨みつけながら静かに静かに、彼の2メートル横ぐらいを通過します。
よくみたら首輪ついてました。
…いや放し飼いにすんなよ!!!!激怒
さらになんとか逃げ切ったと思ったら、また前方の茂みがガサガサ!!!
この暗闇の中、茂みのガサガサの恐怖はすごいです。ほんとに怖い。しかも1人。
そしてまた新しい大型野犬(?)が登場。
しかもこっちに向かって走ってくる!!!!
あ〜ムリ襲われる!!!!
でも巡礼者が野犬に襲われて死んだなんてニュースは聞かへんから、もう噛まれるぐらい我慢しよう…
という覚悟で棒立ちしてたら(完全に戦意喪失)、私の横を通り過ぎてシェパードの方へ…
あぁ…私目当てじゃなかったのね…
というわけで何とか2匹の野犬をかわし、先に進みます。
しかし依然として行く道は真っ暗闇。
これ、今日の朝7時の巡礼路の写真です。バグじゃないよ。
茂みがガサガサ言うたびにポールを手に臨戦態勢。緊張状態。
満点の星空なんですが、そんなん見てる余裕は全くありません。ええからはよ太陽出てくれ。
さらに完全に恐怖のスイッチが入ってしまって、どんどん恐ろしい想像ばかりが膨らみます。
な…なんか出たらどうしよう…(人じゃないやつ)
これはもう考え始めると終わりですね。
負の連鎖です。
闇に浮かび上がる木の影が人(生きてないやつ)に見えたりしだします。
う…後ろに誰か(生きてないやつ)おったらどうしよう…
とか考えると、立ち止まって靴紐を結び直すこともできません。
だって怖いねんほんまに!!!!
世界最長のお化け屋敷としてギネスブックに乗ったこともある、"戦慄迷宮"が900メートルです。
いや8キロて!!!!!?
怖さを紛らわすために、大きな声で会話しよう!!!!
1人やけど!!!
私「朝ごはん、何食べる?」
私「次の町においしいクロワッサンあるといいな〜食べたいわ〜」
誰か「ワタシモ…タベタイ…」
ぎゃあああああああああ
とか考えて1人でパニックです。
もう何してもあかん…
いや!!この暗闇を、しかも野犬の出る山道を1人で歩ける勇気のあるやつなんか滅多におらん!!!すごいで自分!!!すごい勇敢やでいま!!!
と必死に自分を励ましながら進みます。
寒いし怖いしお腹減ったし、まさに地獄です。
…ということで10キロのリュックを背負ってるにもかかわらず、次の町までの8キロメートルの山道を1時間ちょいで歩ききりました。
歩いたというかほぼ小走りでした。
私はもともとビビリな方なんですが、今日ほどビビリまくった日はそうそうないです。
巡礼ってやっぱり大変やな…。
そんなことを思った1日となりました。
あ…あしたもがんばろう…