17日目、心のせまさ
自分でもここまで日記いや、ブログが続いてることにびっくりです。なんせ飽き性なんで。
ひとえにみなさまの応援のおかげ…
と言いたいところなんですが、1日のノルマを歩き終わったらすることなくてめちゃくちゃ暇やから書いてるというのが本音です!!あ、言っちゃった!
あとやっぱり、どこかに記録しておかないとどんどん忘れていくと思うので。
ということで今日も更新するで〜。
現在スペインは夜9時をまわったとこです。
今日はカリオンからの出発。全27キロの行程。
そのうち前半16キロは、村も休憩所もない閑散とした地帯となってまして、
あ〜これはあれやな、1人で色々考えながら黙々と進む道やな、修行やな、
と思ってたんですね。
ところがどっこい
この人の多さよ!!!(いや写真では伝わらんか!)
前後50メートルにスペイン人おじちゃんおばちゃんのグループが大量に。
それがどこまでも続いてます。
これではトイレ(野外)もままならない!!
おいおい昨日まであんなに人おらんかったのに一体どこから出てきたん!?
て感じです。
まぁでも、たくさん人がいると安心するのも事実で、私も目的地に向かって後を追って行きました。
バルもこんなに人がいっぱいです。
遠足かな!!?
しかし、問題は宿やねんな。
これだけ途端に人が増えると、小さな村のアルベルゲには当然収まりきりません。
アルベルゲ受付は長蛇の列です。
私も重いリュックを背負ったまま並びます。
おばちゃんたちは、なんと90人越えのグループ。ツアーみたいなんで来てるんですね。
彼らの手続きを待つこと数十分、ようやく私の番が回ってきました〜。
受付のおばさん 「よかったわね!あなた幸運よ!最後の1つのベッドよ!」
お…おお〜…
よかった…。
幸運にも私は、ぎりぎりでベッドを勝ち取ったようなのですが、私がシャワーを浴びて出てくる頃、アルベルゲ入り口には人だかりが。
受付のおばさん
「ごめんなさいね、今日は団体が入ってるから、もうベッドは残ってないの!次の町へ行ってちょうだい!」
溢れた巡礼者たちは、重いリュックを背に次の町まで4キロ、更に歩かなければなりません。みんな絶望の表情です。
これは、ブルゴスでアルベルゲがいっぱいだった日と同じです。(私も途方に暮れました。)
私たち巡礼者は、基本的に重いリュックを背負い、1日何十キロも自分の足で歩きます。
でも、巡礼路には色んな人達がいて、バスやタクシーを使って巡礼する人もいれば、今日のグループのおばちゃん達のように、リュックのタクシーサービス(荷物を目的地まで車で運んでくれる、ので最小限の荷物で歩ける)を利用する人もいます。
そして、そういう人は必然的に他の巡礼者よりも早く、目的地に着くことができるんですね。
ブルゴスでミケルが言ってた、
「楽して着いた人たちのベッドはあるのに、必死に歩いてやっとの思いで着いた僕たちのベッドがないなんておかしいよ」
という言葉を思い出しました。
そして今日、私もそう思いました。
ブルゴスは大きい街で、他に宿泊施設もあったので、
「まぁええやん!別のところに泊まろうや!」
とポジティブだった私ですが、
今日アルベルゲの入り口で、でっかいリュックを背負って途方に暮れてるお姉さんをみてて、正直、
「自分の荷物も持たずに途中から歩き出して、宿を占領するなんて…どうなん?」
とイライラしてしまいました。(正直ね!)
自分でも、うわ〜こんなことでイライラするなんて心狭いな!とわかってたんですが、どうしようもありません(笑)
部屋に戻ると、私以外はみんなグループのおじちゃんおばちゃん。ワイワイ楽しそう…
そして、唯一の外国人である私に、陽気にしゃべりかけてきます。
どこから来たの?1人?何歳?どこまで行くの?毎日何キロ歩いてる?明日はどの街に泊まる?
日本から。1人。21歳。サンティアゴまで。25キロか30キロぐらい。明日の町はまだ決めてない。
疲れと、ちょっとした苛立ちからそっけなく答えたのですが、おじちゃんたちは構わずしゃべり続けます。
まだ決めてないの?ならこの街がいいよ、オススメだよ。僕たちはカディスから来てるんだ、グループで。今日が初日で1週間だけ。たくさんは歩けないけど、ちょっとずつね。リュックのタクシーサービスがあるから、この歳でも挑戦できるんだ。お互い頑張ろうね。
なんて。
話を聞いてるうちに、
あぁ、私ってほんまになんて心狭いんやろう。小さいことでイライラして。
と思いました。
巡礼路は、誰にでも開かれた道で、だからこそキリスト教徒でない私も歩けてる。
それと同様に、乗り物を使う人がいても、リュックのタクシーサービスを使うグループがあっても、それはそれでいいんやな、それって他の人がとやかく言うことじゃないな、って思いました。
当事者には当事者の事情があるんやから。何も知らない私が、勝手にイライラするのはよくないよな、と気づきました。(当たり前のことやねんけどな!)
重い荷物を背負って、やっとの思いでたどり着いた巡礼者に宿がないのは悲しいことやけど、
だからといってこのおじちゃんたちが、バスを使って巡礼する人たちが、悪いかといったら決してそうじゃない。
歩き方は違うけど、この道に挑戦したいと思ってきてるんやから、それをお互い尊重して、応援しあうべきやな、と。
人の事情ってそれぞれで、他人にはわからないから勝手にイライラしたり、怒ったりしちゃうよね〜。(笑)
そういうの、やめよう!…やめるのは無理でも気をつけよう!
と思う1日なのでした。
もっと器の大きい人間になりた〜い
と思いながら本日の夕日と一枚。
なんかポーズがダサいな!!?