18・19日目、街を夢みる
最近鏡をみて思い出すのはブラックジャック。何故ならいま私の顔は左右で色が違うからさ!!!
巡礼者は日中、常に同じ方向に向かって歩きますので、必然的に毎日左半身だけ日光直撃です。右腕と左腕、違う人間の腕みたいになってます(笑)
20日近く歩いてきて、今の所一番大きい変化はこれやな。
私は特に、キリスト教に目覚めた!!とか、スピリチュアルな考え方をするようになった!!なんていう内面的変化は感じないんですが、肉体的変化がやばいです。これは確かに、歩き終わったら別人に生まれ変わるというのもうなずけます。見た目が。
出発当時、あんなに重くて辛かったバックパックはもはや友達。難なく担いで歩けるように。
大嫌いで部屋にいるだけでも大騒ぎしてたハエも、いまや足に止まってようが問題なし。
最初の頃はビビりまくってたヘビやネズミも、もはや跨いで歩けるレベルに。
…どんどん野生化してますわ、私。
こんな21歳女子、どうですかね?(笑)
さてさて、このところは黙々と次の都市レオンに向かって歩いてるんですが、噂に聞いてた通り、この区間はほんとにきつい!!
別に厳しい登山ルートがあるとかじゃないんです。
むしろ逆。何もないんです!!!!
休憩できるようなバルどころか、村さえなかなか見つかりません。ネットもなかなかつながりません。(笑)
ただひたすら、広い空と果てしない道があるだけ。
景色がすごく単調で、ひたすら空の変化を観察するだけが楽しみです。
夜明け前
明るくなってきた!
日の出や!!!
あ、曇ってきた!!
あ、また晴れてきた!!
…という感じです。
いや、しんどいわこれ(笑)
ひたすら、レオンに着いたら食べれるであろうllaollaoのアイスクリームや、マクドのハンバーガーや、メルカドーナの美味しいサラダのことなんかを考えて歩きます。
野生化していく体と裏腹に、心は恐ろしいほど街に惹きつけられてます。
あと120キロ…90キロ…60…40…
そしてついに、今日歩いた分で、レオンまで残り18キロ!!!!!
やったーーー!!!明日には街に着くで!!!!
と、ウキウキの夜を過ごしてます今。
ここまで長かった〜!
でもそんなしんどい区間を歩きながらも、いくつか嬉しいこともありました。
道中、フランスで同じ宿に泊まってた女性と再会!ちょっとおしゃべりしたんですが、彼女に、
「あなた、フランスで会った時は毛ほども英語しゃべれなかったのに、随分上手になったわね!!すごい!!」
とお褒めいただいたり、
アルベルゲで開催されたチェス大会で、本場ヨーロッパの紳士達をボコボコにできたり、
ユーランという、とっても面白い韓国人の女の子と仲良くなったり。(彼女も1人で歩いてる)
巡礼路を歩いてると、時間は本当に前にしか流れないのだ、と身をもって実感します。
別れた仲間を懐かしみながらも、新しい仲間と共に歩く。
一瞬一瞬、確実に目的地に近づいてて、後戻りすることは決してない。
常に明日のことを考えて生きてます。
そういう日々を、ここでは過ごすことができます。
ということで明日も歩くで〜。
街で私を待ってるアイスクリームのために。